子どもが学校に行きたくないと言い出したら?親がすべき対応を解説

子どもが毎日元気に学校に通ってくれるとうれしいですよね。そして、それを当たり前だと疑わずに生活していることが多いです。

ある日、子どもが学校に行きたくないと言い出したらどうしますか?

不安と心配でいっぱいになり、「とにかく学校に行かせなければならない」と思っても不思議ではありません。

今回は、子どもが学校に行きたくないと言い出したときに、親がどうしたらいいのかについて解説していきます。

子どもが学校に行きたくないと言い出したとき、親はどうする?

子どもが学校に行きたくないと言い出したら、何事かとびっくりして冷静ではいられなくなる人が多いと思います。ついつい声を荒げたり叱ってしまう人もいるかもしれません。

親の対応によっては子どもが心を閉ざしてしまい、ますます悪い方向に進むことがあるので注意が必要です。

まずは、子どもに焦りを悟られないようにして気持ちを落ち着かせましょう。親がパニックになっていると子どもは物事を重大に受け止めてしまい、「言ってはいけなかったんだ」と思ってしまいます。

「何があったの?」とすぐに聞きたくなりますが、問い詰めずに受け入れるのが大切です。

「そうなの。話してくれてありがとう」
と、最初に言うと子どもは安心します。

しかし、受け入れるだけではどうにもならないので、深刻にならないように気をつけながら理由を聞きましょう。理由とともに「どうしたいのか」「どうしてほしいのか」を聞くのも大切です。

親は最初に何をしたらいい?

先生に助けてもらおう

理由によっては先生に相談して解決に導いてもらう必要があります。

  • 友達とのトラブル
  • 勉強・スポーツ・行事・係など、学校でしなければならないことが苦痛
  • 勉強についていけない
  • 給食に嫌いな食べ物が出ると食べられない

などが理由な場合は、先生に頼るのがベストです。

すぐに先生に相談するのは気が引けるかもしれませんが、現在の教育現場は早期解決を求める傾向にあります。時間が経って物事が複雑化してから相談するより、早めに相談するほうが先生も助かるでしょう。

休ませてみよう

特に理由がなかったりすぐに解決できない問題を抱えていたりする場合は、無理せず休ませるのも大切。心に疲労が溜まっているときに無理をして学校に行くと、心がボロボロになり体調を崩すかもしれません。

ただし、長く休むとそのまま行けなくなることがあるので、最初は緊急避難として3日くらいまでにするのがいいそうです。病気で学校を休んで身体を休養させるように、心を休養させる目的と考えるとよいでしょう。

短期間で回復ができず長期間にわたって学校に行けなくなった場合は、学校外の相談窓口を利用するのがおすすめです。

親がしがちなNG行動は?

子どもが学校に行きたくないと言い出したら、原因を追及したくなったりアドバイスや励ましの言葉をかけたくなったりするのが一般的です。しかし、それらの行動はNG!

原因を追及すると子どもは口をつぐんで会話ができなくなりがちです。うまく意思疎通を図れないと問題の解決が遠回りになることも。

また、子どもが気持ちを打ちあけてくれるのは親に気持ちをわかってほしいからです。アドバイスや励ましの言葉がほしいわけではありません。

子どもが心を閉ざさないように注意しましょう。

子どもが学校に行きたくない気持ちを受け入れよう

子どもの気持ちに寄り添おう

子どもが学校に行きたくないと言い出したら戸惑いを隠せないのは当然のことですが、自分の感情は一旦置いておきましょう。

「悲しいね」「大変だね」「辛いね」など、気持ちに寄り添う言葉をかけてあげるといいそうです。低学年の子どもなら抱きしめてあげると安心します。

親目線で考えるのではなく、自分が小学生だったころ学校に行きたくなかったときにどうしてほしかったかを思い出すのもいいですね。

不登校は悪ではないと理解しよう

子どもが学校に行きたくないと言い出したときに親がパニックになったり戸惑ったりするのは、「このまま学校に行けなくなったらどうしよう」「ひきこもりになってしまうかもしれない」「社会に出られないかもしれない」などという不安があるからです。

不登校にネガティブな感情を持つのは自分たちが育った時代がそうだったからかもしれません。確かに約20年〜30年前は不登校になると受け皿がなく、将来に大きな影響がありました。今も影響がないとはいえませんが、昔と違っていろいろな受け皿や復帰の道があります。

平成27年度の全国の不登校生徒数は、小学校27,583人。人数を見る限り、不登校は特別なことではなく誰にでも起こりうることなのです。
(※「文部科学省 フリースクール・不登校に対する取組」参照)

不登校はストレスから身を守る方法の一つといえます。無理に学校に行かせると、病気・うつ・自殺など最悪な形になることもあるので注意しましょう。

一人で解決しようとしないで!相談窓口を活用しよう

教育委員会では児童生徒に関する教育相談窓口として「教育センター」や「教育相談所」を、不登校に関する支援窓口として「教育支援センター(適応障害教室)」を設けています。

厚生労働省が所管する「児童相談所」「保健所」「精神保健福祉センター」なども相談を受け入れてくれます。地域によって異なるため、各都道府県・市区町村にお問い合わせください。
(※「文部科学省 不登校への対応について」参照)

また、各地域にあるフリースクールを活用するのもおすすめです。

フリースクールとは民間の教育機関であり、学校に行けない児童が小学校の代わりとして過ごす場所です。予備校・塾・NPO法人などさまざまな団体があり、小学校と連携しているところもあります。

平成27年度の文部科学省の調査では、全国で474の団体・施設が確認されています。
(※「文部科学省 フリースクール・不登校に対する取組」参照)

まとめ

子どもが学校に行きたくないと言い出したら、子どもの生活や将来を考えて不安になるのが親心ですよね。しかし、子どもは学校に行くべきだとわかっているうえで、休みたいと訴えているのです。

子どもが学校に行きたくない理由はさまざま。子どもによって苦痛に耐えられる範囲は違い、必要以上にストレスを感じやすい子どももいます。

子どもにとって大切なことは学校に行くということだけではありません。何を学ぶか、どう生きていくかを考えることが大切です。

子どもが学校に行きたくないと言い出したら、まずは受け入れて考え、子どもが安心して学んでいける生活を見つけることが大切です。

参考文献

「文部科学省 不登校への対応について」
「文部科学省 フリースクール・不登校に対する取組」