【2021年最新】システムエンジニアの年収とオススメする3つの理由

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2020年クラレ社が発表した『男の子の親の「就かせたい職業」トップ10』の8位にエンジニアがランクインしました。

さらにソニー生命の「男子高校生のなりたい職業」についての調査ではなんとITエンジニア・プログラマが1位

エンジニアとはITに関する技術者の総称で、プログラマーやシステムエンジニア、Webエンジニアなどが含まれます。

エンジニアの中でも「システムエンジニア(SE)」は特に年収が高く、将来性もあるオススメな職業です。

今回はそんなシステムエンジニアについて、

  • 年収と平均との比較
  • 年収が高い理由
  • オススメの職業である理由
  • システムエンジニアになる方法

上記4点から徹底解説していきます。

【システムエンジニアの年収】全職種平均と比べてみました

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システムエンジニアの2019年の平均年収は約569万円(平成31年「賃金構造基本統計調査」より)でした。

まずはシステムエンジニアの年収について

  • 過去5年間の推移と全職種平均との比較
  • 年収が高い理由

上記2点を解説していきます。

システムエンジニアの年収推移

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システムエンジニアと全職種の過去5年間の平均年収の推移をグラフにまとめました(「賃金構造基本統計調査」より)。

過去5年間推移の特徴としては2015年が592万円で最も高く、2016年以降は550万円前後をキープしています。

全職種の平均年収は450万円前後なので、システムエンジニアの年収は全職種平均より100万円程度高いです。

システムエンジニアの年収が高い理由

システムエンジニアは前述の通り、平均より100万円前後年収が高い傾向があります。

年収が高い理由は以下の3点です。

  • 専門的な知識・スキルが必要になるため、参入が難しい
  • IT業界の市場拡大に伴い、人材が不足している
  • 労働時間が長い

システムエンジニアは顧客の要望に基づいてシステムを設計し、プログラマーに指示を出す上流工程を担います。

プログラミング言語はもちろん、ソフトウェア、ハードウェアなどITに関する総合的な知識を持っていなければいけません。

独学では戦力になる人材となることが難しいため、参入が難しい領域です。

また、参入が難しいことに加え、IT業界の成長に伴ってエンジニアの需要が高まっています。

経済産業省が2019年3月に発表した報告書によると、IT人材の不足数は2019年に26万人、2020年に30万と増え続け、なんと2030年には45万人に上ると予想されているのです(「IT人材需給に関する調査」より)。

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IT企業のIT人材の”量”に対する不足感を示した表が下記です。

引用)「IT人材白書 2019」より

現在のシステムエンジニアは人材不足により労働時間が長い傾向があり、残業代が足されているために年収が高くなっているという要因もあります。

システムエンジニアは人気?オススメできる職業です!

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システムエンジニアは残業が多く労働時間が長い傾向はありますが、給与や需要が高いこと以外にも良いポイントがあります。

  • 学歴で給与に差がつきにくい
  • 会社特有ではない業務内容
  • プログラミング言語は世界共通

上記3点からシステムエンジニアという職業の将来性について解説していきます。

システムエンジニアがオススメな理由1:学歴で給与に差がつきにくい

システムエンジニアは「学歴で給与に差がつきにくい」と言われています。

IT業界の進歩は激しく、システムやプログラミング言語の常識が毎日アップデートされていくような環境です。

常に技術が更新されていくため、入社時点での差が生まれにくいと言えるでしょう。

もちろん応募者が殺到する一部の大人気企業では「大学卒」を条件としていることもありますが、多くのベンチャーや中小企業は「実力や経験を図るため、とりあえず会ってみる」というスタンスで選考を行っている場合も多いです。

実際に転職・求人サイトの「doda」では、技術職(SE・インフラエンジニア・Webエンジニア)の求人13,249件中8,021件、つまり約60%が「学歴不問」という条件を設定していました。

システムエンジニアに必要な能力は、専門的な知識や学歴だけでなく、クライアントの要望を汲み取るコミュニケーション能力、要望を満たすためには何をすれば良いのかを設計していける論理的思考能力が必要になります。

学歴で入れる会社や年収が大きく左右されることが少ないので、スキルや学習意欲さえあればキャリアアップを狙える職業と言えるでしょう。

システムエンジニアがオススメな理由2:会社特有ではない業務内容

システムエンジニアのような技術職は会社が変わっても業務内容に大きく変化がないことが多いです。

案件の規模が変わったり、会社によって流れが異なったりすることはありますが、一度身に付けたスキルは転職してもいかされます。

後述しますが、システム開発の現場で使われているプログラミング言語は共通であるため、プログラムに関する知識やスキルは無駄になりません。

IT業界は3K「きつい、帰れない、給料が安い」と言われることがあるものの、需要の高さと即戦力になるスキルから比較的転職が容易と考えられます。

システムエンジニアがオススメな理由3:プログラミング言語は世界共通

プログラミング言語は世界共通なので、語学力が伴えば世界どこでも働ける人材になれます。

多くの言語は英語をベースとして作られており、英語が得意だと習得も早くなるでしょう。

「将来的には海外で働きたい」と考えている人にシステムエンジニアはとてもオススメできる職業です。

まずは日本の企業で働きつつ、英語や働きたい国で流行している言語を勉強しておくと、世界で活躍するチャンスにもつながります。

システムエンジニアになるにはどうしたらいい?

それではシステムエンジニアになるためには具体的にどのようなステップを踏めばいいのでしょうか。

プログラマーやインフラエンジニアも含む統計ですが、IT技術者の最終学歴は下記のような割合です。

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引用)「IT人材白書2017」より

上記の表を見ると、大卒が6割以上を占めていて「やっぱり大卒じゃなきゃダメなんだ…」と思ってしまう人もいるのではないでしょうか。

しかし、2019年度の大学進学率は約58%なので、おおむね社会全体の大卒割合と同じ程度です。

高等学校、専門学校、高等専門学校が最終学歴の人でもシステムエンジニアになることはできますので、システムエンジニアを目指せるさまざまなルートを紹介していきます。

情報系高校からシステムエンジニアを目指す

高卒でシステムエンジニアを目指したい場合は、情報系の学科を設置している高校に行くのがいいでしょう。

公立高校の3年間学費は約45万円、私立高校だと約100万円(「子供の学習費調査」より)です。

高校の情報系の学科を卒業すると、メーカーや請負会社へ就職できます。

請負会社とは契約は正社員であるものの、期間や仕事に応じて特定の会社に派遣される社員のことです。

プログラマーとして採用してくれる会社もあるので、まずはプログラマーとして経験を積みつつ、システムエンジニアを目指しましょう。

高等専門学校からシステムエンジニアを目指す

高等専門学校、通称「高専」は中学校卒業生を5年間の一貫教育で優れた専門技術者に育てる学校です。

国立高専の学費相場は5年間で約126万円(「熊本高等専門学校公式サイト」より)。

公立高校の3年間の学費約45万円と比べると少し高い印象ですが、5年間通うこと、専門的な教育を受けるための設備を考えると納得できるのではないでしょうか。

情報科や工学科、機械科などのコースがあり、通常の高校と比べ、専門科目が大半を占めるカリキュラムで学べます。

5年間の専門的な教育を受けた高専生は即戦力として買われるので、就職率はほぼ100%。

大学卒に比べ賃金は低い傾向にあるものの、試験に合格すれば主に国立大学への編入が可能です。

高専卒業後すぐにプログラマーとして就職するだけでなく、大学に編入すれば大学卒として就職活動をする選択肢もありますよ。

専門学校からシステムエンジニアを目指す

システムエンジニアとしての就職に絞って考えている場合、専門学校に入るのもオススメです。

年間学費は約100万円(「専修学校各種学校調査統計資料」より)で安くはないですが、大学より少人数で授業を受けられる学校が多いです。

2年制や3年制のコースが豊富で比較的短期間で専門的な知識を得られます。

システムエンジニアになるための教育に特化した大学や短大は少ないので、システムエンジニアという目標に向かって効率的に学習できるでしょう。

また、専門学校は地元企業への就職実績が多いため、能力や適性、希望に合った就職先を紹介してくれます。

プログラマーではなく、確実にシステムエンジニアとして就職したい場合に最適な選択肢でしょう。

大学からシステムエンジニアを目指す

システムエンジニアは学歴に給与の差が出にくいとはいえ、やはり「大卒」を採用条件としている会社も少なからずあります。

「応募できる会社の幅が広くなること」が大卒の最も大きなメリットでしょう。

学費は国立大学だと4年間で約250万円(文部科学省による標準額)、私立大学だと約400万円〜500万円(「私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額調査」より)です。

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引用)「IT人材白書2017」より

上記の表によると、IT技術者の約6割は理系出身

しかし前述の通り、プログラミングやソフトウェアなどに関しての知識だけではシステムエンジニアにはなれません。

コミュニケーション力、論理的思考能力、プロジェクト管理能力などが必要になるので、残りの約4割は文系出身者が占めています。

「未経験者OK」のシステムエンジニアの求人もあり、文系出身でもシステムエンジニアになることは可能です。

近年プログラミングに関する教材やオンラインスクールなどが増えて、働きながらでも学習できる環境が整ってきています。

未経験から人材を育てていくスタンスの会社も多いので、やはり大卒が採用時点で有利でしょう。

システムエンジニアとプログラマーの年収は違うの?

プログラマーを経てシステムエンジニアになるステップを紹介しましたが、システムエンジニアとプログラマーの年収は違うのでしょうか。

2015年〜2019年の5年間の平均はシステムエンジニアが562.1万円プログラマーが416.8万円でした(「賃金構造基本統計調査」より)。

  • システムエンジニア:クライアントからシステムへの要望についてヒアリングし、仕様や設計を担当
  • プログラマー:プログラミング言語を用いて仕様書に基づいてシステムを開発

システムエンジニアとプログラマーの業務内容は上記のような違いがあり、システムエンジニアが担うのはよりクライアントに近いシステム開発の上流工程です。

プログラマーの年収はシステムエンジニアに比べて約150万円低く、「IT業界は人材不足なのになぜ?」と思われる方もいるかもしれません。

プログラマーとして経験を積んだ人がシステムエンジニアにステップアップしていくので、プログラマー給与の平均が下がるというのが大きな理由です。

IT業界で高い収入を得るためには、早いうちにシステムエンジニアとして働けるようになることが重要でしょう。

まとめ:システムエンジニアの年収は高く、将来性もある

 

ITシステムエンジニアの年収は全職種平均より約100万円高く、将来性も抜群な職業です。

採用時点で応募できる会社や賃金の差は出てしまうものの、技術の発展が早いIT業界では優秀な人材の定義もどんどん変わっていきます。

入社後は学歴ではなく、新しい技術やプログラミング言語の変化などに対して「どれだけ意欲的に学んでいけるか」が成長の鍵になってくるでしょう。

システムエンジニアになりたい人は学歴にこだわりすぎず、どのルートで就職するのが最も自分に合っているか考えてみてくださいね。